加納朋子
「螺旋階段のアリス」
文春文庫
500円(税込)
★★★☆☆
大企業のサラリーマンから憧れの私立探偵に転身した仁木、事務所を構えたはいいけれど、依頼人はいない。迷い込んだのは、少女にしか見えない助手志願の女の子安梨沙。中年シロート探偵と少女との探偵稼業が始まる。
小さな謎解き七編で構成された短編集である。「不思議の国のアリス」に登場するキャラクターに託して物語が語られる。特筆すべき大事件が起こるわけでもなく、切った張ったの活劇があるわけでもない。謎解きという点ではそれぞれに一ひねりが効いていて面白いが、読後の印象は「ふ~ん」であった。鮎川哲也賞、日本推理作家協会賞の受賞作家であるが、イマイチ。
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by osampopremium
| 2012-03-18 01:39
| 加納朋子